自治体職員の読書ノート

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【1421冊目】鈴木のりたけ『ぼくのトイレ』

ぼくのトイレ (わたしのえほん)

ぼくのトイレ (わたしのえほん)

幼稚園〜小学校低学年くらいがターゲットと思われる絵本。それより大きくなると「トイレ」とか「おしっこ」「ウンチ」みたいなものが大好きになり、やたらに過剰反応するようになるんだが、本書はその「手前」に向けて徹底的に展開してみせた「トイレ変奏曲」の一冊。

著者は『しごとば』シリーズで有名になった人である。いろんな職業の人の職場環境をひたすら稠密に描き込んだ『しごとば』の着想も素晴らしかったが、本書も相当のもの。とりわけ大人でも度肝を抜かれるのが、徹底した「トイレ尽くし」だろう。企画案として思いつく人はいても、なかなかここまで全ページをトイレで埋めるところまではいかないものだ。

たくさん並んだトイレからアタリを探す「あてっこトイレ」(漏れそうな時はたいへん!)、50メートル走らないとトイレに行けない「50メートルトイレ」、周りがガラス張りの水槽になっている「いけすトイレ」にはじまり、すべりだいトイレ、トランポリントイレ、ボートイレ(ボート+トイレ)、こおりのトイレにキウイトイレ、ベンチトイレにロケットイレ(ロケット+トイレ)などなど、まあよくこれだけ思いつくものだと感心させられる(今挙げたのはそのほんの一部)。

そして後半の舞台は、なんとトイレがくねくね曲がったレールの上を疾走する「トイレットコースター」。しかもトイレを盗んでレール上を逃げる「とんがりあたまのけむくじゃら」がどのページにも隠れていて、子どもたちは読みながらそいつを探していくという、つまりはあの『ウォーリーをさがせ!』になっているのだ。

しかもその背景になっているのは「トイレのまち」に「トイレのみなと」、みんなトイレに乗ってサーキットを走る「サーキットイレ」に、ブランコのように木からトイレがぶらさがった「トイレのもり」。前半がトイレそのもののバリエーションを徹底させたとすれば、後半は町や港や森をトイレだけでつくってみせるという、また別の意味での徹底が面白い。やっぱりどんなことでも、やるならとことん徹底してやらないとダメですね。

最後は「とんがりあたま」をトイレットペーパーでぐるぐる巻きにして捕まえるという、まさに子どものためのトイレット・ファンタジーな一冊。子どもにも読んでやりたいが、この発想力は、大人にこそ見てもらいたい。

しごとば続・しごとばしごとば 東京スカイツリー (しごとばシリーズ)新ウォーリーをさがせ! (新ウォーリーのえほん)