自治体職員の読書ノート

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【823冊目】白川道『崩れる日なにおもう 病葉流れて3』

白川道氏の青春ギャンブル小説『病葉流れて』シリーズ第3作。主人公の梨田が麻雀三昧の末に大学を卒業し、大阪で不似合い極まりないサラリーマン生活を送るところから始まる。

大企業のサラリーマンとしての生活はほんのわずかしか続かず、結局梨田は会社を辞め、博打の日々を送ることになる。しかし、いろいろな事情となりゆきの末に結局は別の会社に入ることになるのだが、そこは「先物取引」の会社。そこで描かれる先物取引の描写は、すさまじい。「素人は絶対勝てない」先物取引の仕組みとカラクリが一目瞭然に見えてくる。それは「取引」ではなく、「投資」でもない。いや、「投機」とさえ言えないのがこの先物取引である。それは、ひたすら「顧客」のお金を収奪し、徹底的に絞りつくすことだけが目的の世界だ。先物にだけは手を出してはならない、と言われる理由が、本書を読むとよくわかる。

麻雀シーンも、相変わらずよくできている。麻雀のオモテもウラも知り尽くした人でないと、なかなかここまでのコクは出せない。麻雀の深さと恐ろしさを小説でここまで描き得た作家は、おそらく阿佐田哲也以来ではなかろうか。本当に、読むと牌を握りたくなるアブナイ小説だ。

ギャンブル好き、麻雀好きなら読んで損はない一冊。先物取引に魅力を感じている人には、必読の一冊。ギャンブルとハードボイルドの交錯を見たい人にも、お勧めの一冊。面白いですよ。