自治体職員の読書ノート

自治体職員です。仕事の関係上、福祉系が多めです。読書は全方位がモットー。

【759冊目】田村康二『「震度7」を生き抜く』

「震度7」を生き抜く―被災地医師が得た教訓 (祥伝社新書 (003))

「震度7」を生き抜く―被災地医師が得た教訓 (祥伝社新書 (003))

40年以上前の新潟大地震、2004年の新潟県中越地震と、2回の大地震を経験した著者によるリアルなサバイバル術。

本書の特筆すべき点は、著者が単に大地震の経験者というだけではなく、医師でもあるということ。そのため、実際に地震に遭遇した場合の対処法が、具体的な経験則と医学的知見の両面からしっかり書かれている。

本書は「書評」や「感想ノート」の対象となる本、ではない。具体的な地震対策法をどのくらいこの本から汲み取れるか、そしてそれを「いつか来る大地震」に備えてどれくらい実践できるか、という本である。以下にその一部を列挙してみたい。残りを知りたい方は、本書を手に取るべし。なお、私はこの本をブックオフの105円コーナーで見つけた。105円で命が助かれば、安いものである。

○最初の5分間にすべきこと…明かりの確保、逃げ口のドアを開けて確保、頭を座布団で保護
○心肺蘇生術とAEDの使い方はマスターしておくべし
○手動式懐中電灯、頭を守るもの、手動式ラジオは最低限必要
○食糧よりトイレの備えが優先(簡易トイレ、大人用おむつ)
○ガスは復旧が一番遅いので、ガスコンロとガスボンベは用意すべし
○車中生活を余儀なくされたら、エコノミークラス症候群対策を。90分ごとに車外に出る、水分補給は絶対控えない。
○「心のケア」は、弱音を吐く、声をかける、聞いてあげる
○緊急時こそ生体リズムを守って生活すべし(疲労・過労はあとからやってくる)
○行政はあてにならない、自分が頼りと思え(自治体職員としては耳が痛いが、真実と言わざるをえないのが残念)