自治体職員の読書ノート

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【351冊目】雨森孝悦「テキストブックNPO」

テキストブック NPO―非営利組織の制度・活動・マネジメント

テキストブック NPO―非営利組織の制度・活動・マネジメント

日本では主として1990年代から急速に広まり、今では世の中になくてはならない存在となっているNPO。まだまだ規模や参加人員の点で欧米に劣るとはいえ、考えてみれば、わずかこれほどの短期間でこれだけの存在となったことが驚きである。そしてこのことは、NPOのような存在が世の中にどれほど求められていたか、という証であるように思える。

本書はこうしたNPOについての総合的なテキストである。NPOと類似団体の比較、諸外国との比較などからNPOの位置付けを探り、さらにはその内側からNPOのマネジメントを論じ、NPOを通じて現代の公共のあり方にまで踏み込んでいる。全体として、NPOの立場、目線に立った、非常によくできたテキストである。

特にマネジメントについては、個人の「思い」が原動力になりやすいNPOだからこそ陥りやすい「燃え尽き」の問題や専従職員とボランティアの関係などにも触れており、きわめて実用性の高いものとなっている。また、公益法人制度など類似の団体に関する記述も充実している。特に公益法人に関しては大きな制度改革があったところであり、自治体にとっても大きな関心先となっているため、本書の簡にして要を得た解説は非常にありがたかった。