自治体職員の読書ノート

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【343冊目】ジェフリー・ディーヴァー「エンプティー・チェア」

エンプティー・チェア〈上〉 (文春文庫)

エンプティー・チェア〈上〉 (文春文庫)

エンプティー・チェア〈下〉 (文春文庫)

エンプティー・チェア〈下〉 (文春文庫)

ここのところ続けて読んでいるディーヴァー作品。ちなみにリンカーン・ライムシリーズの3作目である。

これまで一心同体であったライムとサックスのコンビが「追うものと追われるもの」に分かれるところが、本書の最大のみどころだろう。殺人や誘拐の容疑で追われる「昆虫少年」ギャレットを、ライムは犯人と確信するが、サックスは少年の無実を信じ、逮捕されたギャレットを連れ出して逃走してしまう。

さまざまな証拠物件から推理を重ねてサックスを追うライムと、逃亡する中で少年と心を通い合わせるサックスに、現地の警官らや賞金目当てのならず者たちが絡み合い、ディーヴァー一流のジェットコースターのようなフィナーレになだれ込んでいく。まあ、あまり書くとネタバレになりそうなのでこのへんにしておくが、ラスト近くの二重三重のどんでん返しもお見事。

ただ、本作でちょっと気になったのが、サックスの起こした「事件」についての解決のつけ方であった。これはいくらなんでも結果オーライというか、ご都合主義ではないか。ディーヴァーがどう解決するのか楽しみだっただけに残念。それにしても、アメリカの司法取引というのは実にドライなものだ。