自治体職員の読書ノート

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【335冊目】阿部泰隆「やわらか頭の法政策」


「政策法学」をテーマに三重県職員向けに行われた講演を採録したもので、「信山社政策法学ライブラリイ」の第1巻。

まさにタイトルの通り、既存の法の枠組みにとらわれない「やわらか頭」でさまざまな法改革や制度改革を矢継ぎ早に繰り出している。一見、思い付きを並べているかのようにも見えるが、よく読むとそうではないことに気がつく。思うに、著者が一貫して見ているのは、そもそもその制度が何のためにあるかという目的であり、そのためにもっとも合理的で明確な道筋は何か、ということを虚心に追求しているだけなのではないか。

そのため、一見暴論に見える議論も多いが、どれも一本ぴしりと筋が通っており、読んでいて非常に納得感がある。もちろん、本書が書かれた意図を考えると、自治体職員としては納得しているばかりではいかんのであって、結局は自らの頭で制度の目的や本質を捉えた上で、法設計、制度設計を根本的なところから考える力を培わなければならないのである。それがおそらくは政策法務ということであり、地方自治ということなのだろう。