自治体職員の読書ノート

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【327冊目】ジェフリー・ディーヴァー「監禁」

監禁 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

監禁 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

著者は映画にもなった「ボーン・コレクター」を書いた作家。名前は知っていたのだがなかなか読む機会がなく、本書で初めてディーヴァーに出会った。

いや、これは面白かった。びっくりした。これまで読まなかったのが悔やまれる。畳み掛けるような展開、魅力的な登場人物、次から次へと登場するサプライズ、そしてラストのまさしく「驚愕の真相」。どれをとっても見事の一言に尽きる。

娘ミーガンを探す弁護士テイトと、ミーガンを誘拐した牧師アーロン。この両者のコントラストと、その心理の深みが、物語にコクを与えている。テイトも百戦錬磨の弁論の達人であるが、アーロンも人の心を読み、動かす悪魔的な洞察力と弁舌をもち、言葉だけで相手の罪悪感を引き出し、自殺に追い込むほどの力をもつ。そして、二人の弁舌がぶつかり合うときに突如照らし出される、お互いの心の秘密と闇の深さ。

物語はテイトと元妻ベットによる追跡劇と、その協力者を次々と葬り去っていくアーロンの巧妙な手口が交互に登場し、圧倒的な緊迫感で最後まで飽きるどころかページをめくる手を休ませることすら許さない。まさにすばらしい、というかすさまじいエンターテインメント。さあ、次はどの「ディーヴァー作品」を手に取ろうか。