自治体職員の読書ノート

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【314冊目】金子みすゞ「金子みすゞ童謡集」

金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫)

金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫)

西條八十に「若き詩人中の巨星」とまで称されながら、わずか26歳で自らの命を絶った悲運の詩人。本書はそんな金子みすゞの生み出した童謡を、テーマごとに再編成している。

読んでいてなんともいえぬ郷愁に包まれる。懐かしいようでいて、まったく新しいものがその中に含まれているのを感じる。視点が子どものように純粋で透徹し、さびしさやうれしさ、やさしさを素直に歌っていながら、常にものごとを両面から見る複眼性、さらには宮沢賢治を思わせるような、サイエンスとノスタルジアの無類の融合が息づいている。こんな童謡、他のどこにもない。

金子みすゞの名前を聞いたことはあったが、読んでみようと思ったのは、前に読んだ佐治晴夫氏と松岡正剛氏の対談で、佐治氏が絶賛していたからだ。本書にも、巻末に佐治氏のエッセイが付されている。これもまた絶妙の好エッセイ。ぜひ、あわせて読まれたい。