【199冊目】見城徹「編集者という病い」
- 作者: 見城徹
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/02/21
- メディア: 単行本
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角川書店の名物編集者を経て「幻冬社」を立ち上げ、ベストセラーを連発してきた著者が、これまで関わってきた表現者たちとの日々を振り返っている。そのラインナップは尾崎豊、ユーミン、鈴木いずみから石原慎太郎、中上健次、村上龍など幅広い。そして、著者がその一人一人と関わりあう様は、まさしく肉と肉、骨と骨がぶつかりあう命がけの闘いであり、その中から幾多の名作やベストセラーが生まれてきたことがわかる。著者にとって「編集者」とは、単なる仕事などではもはやない。著者は、自らの人生の重みをもって相手にぶつからなければ、相手の一番弱く痛いところをつかみ出し、表現させるなどということはできないと語る。表現というと表現者が一人でテーマを探し、書いているようにわれわれは思いがちだ。しかしその裏面にある編集者という命がけの存在を、本書によって初めて知ることが出来たように思う。これほどの全身全霊でのぶつかり合いを、私は一度でも仕事でしてきただろうか?