自治体職員の読書ノート

仕事は福祉系。読書は雑食性。業務連絡はnsa59871atmarkexcite.co.jpへどうぞ。

【89冊目】佐々木信夫「自治体をどう変えるか」

自治体をどう変えるか (ちくま新書)

自治体をどう変えるか (ちくま新書)

地方分権推進法後における「国」と「地方」、「官」と「民」のあり方を幅広く論じた本。

地方制度改革の進展により、これまでのような国の政策や補助金におんぶにだっこ、国の言われたとおりに業務を執行する「地方公共団体」から、自ら政策を立案し、実行する「地方自治体」への転換が求められている。本書はその「分権改革後」のあるべき自治体像と、自立した自治体となるための方策を語っている。

議会改革や公務員制度改革市町村合併道州制など、さまざまな角度から議論が進められるが、やはり中核となるのは自治体の政策形成能力や創意工夫、民間との連携も含めた柔軟なガバナンスの重要性である。そして、そのためには自治体の長をはじめ、職員や議員、さらには住民自らの意識の高さと行動力が決定的に重要となる。考えてみれば当たり前で、われわれがやらなければ、誰もそれを代わってやってくれる者はいないのである。

あるいは、わが自治体も含め多くの「後進」自治体に大きく欠けているのは、そういった「当事者意識」なのかもしれない。大事なことは国が考えてくれる、そう思っている首長や職員はいまだに決して少なくない。議会答弁などを聞いていても、「国や都(道府県)の動向を見守り」という逃げ口上がいかに多いことか。本書は、そういう「眠れる」自治体に対するひとつの警鐘となっている。