自治体職員の読書ノート

自治体職員です。仕事の関係上、福祉系が多めです。読書は全方位がモットー。

【38冊目】吉田 利宏「法律を読む技術・学ぶ技術」

元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術

元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術

「元法制局職員が教える」と副題にあったので内閣法制局かと思ったら、著者は衆議院法制局の方であった。

それはともかく、徹底して分かりやすい法律入門書である。珍しいのは、個別の法律の解説や法律一般の読み方だけではなく、「及び・並びに」「又は・若しくは」の使い分け、改め文の読み方、法改正の仕組みなど、いわば「法律の作られ方」を扱っていること。基本的といえば基本的なことばかりなのだが、その「基本」を手を抜かず丁寧に説明してくれている。

後半は各論として民法憲法行政法について掘り下げた解説があるが、こちらも大づかみながらポイントをおさえた説明である。 全体としては、とにかく分かりやすいという事に尽きる。それぞれの章が短く、確認のための問題が2〜3ページごとについているのも良い。なかなか良くできた入門書だと思う。