福祉・教育・医療
カウンセラーは何を見ているか (シリーズケアをひらく)作者:信田さよ子医学書院Amazon カウンセラーは感情労働?カウンセラーの仕事は「傾聴」し「共感」すること?カウンセラーがやっているのは「心のケア」?カウンセラーは、相手の自己決定を促す仕事?い…
ぼけてもいいよ―「第2宅老所よりあい」から作者:村瀬 孝生西日本新聞社Amazon 「第2宅老所よりあい」は、福岡市にある高齢者の生活の場のこと。本書は、この地域の中のごくふつうの民家に、通い、あるいは暮らすお年寄りとの日々を綴った一冊だ。高邁な理想…
感じるオープンダイアローグ (講談社現代新書)作者:森川すいめい講談社Amazon オープンダイアローグについて書かれた本はいろいろありますが、本書はその中でも、短いながらその本質に迫った一冊なのではないかと思います。その理由の一つは、著者が自らオー…
の生成ー中動態と当事者研究" title="の生成ー中動態と当事者研究"><責任>の生成ー中動態と当事者研究作者:國分功一郎,熊谷晋一郎新曜社Amazon 決して簡単な内容ではありません。特に「中動態」という概念は、定義を読めば理解はできるのですが、なかなか体…
マンガ 認知症 (ちくま新書)作者:ニコ・ニコルソン,佐藤眞一筑摩書房Amazon マンガだからといって、あなどってはいけません。この本はすばらしい。特に、認知症の家族を介護している方は必読です。なぜ、同じことを何度も聞くのか。なぜ、夕方になると「家に…
死を生きた人びと――訪問診療医と355人の患者作者:小堀 鷗一郎みすず書房Amazon 著者は「訪問診療医」。病院やクリニックで患者を診るのではなく、みずから患者の家に赴く医者だ。中でも「在宅看取り」に積極的に取り組んできた。8割の人が病院で亡くなってい…
人類の進化が病を生んだ作者:テイラー,ジェレミー河出書房新社Amazon 人間の病気や人体の特徴について「進化」の観点から解き明かした一冊です。一般向けの本とはいえ、中身はなかなかハード。ボリュームはそれなりだし、専門用語もバンバン出てきます。ただ…
ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言作者:長谷川 和夫,猪熊 律子KADOKAWAAmazon 「長谷川和夫」という名前に聞き覚えがある方なら、本書のタイトルは衝撃的だろう。なにしろ長谷川和夫といえば福祉業界…
母がしんどい【電子特典付】 (角川文庫)作者:田房永子KADOKAWAAmazon いや〜、これは読んででしんどかった。つらかった。母親に、思いつきのようにピアノやバレエに通わされる。貯めていたお年玉は10万円の電子ピアノに使われ、弾かないと「せっかく買ったの…
「老いる」とはどういうことか (講談社+α文庫)作者:河合 隼雄講談社Amazon 見開きごとに1つの記事で自在に綴る、「老い」にまつわるエッセイ集です。新聞連載がベースになっているらしく、それぞれ独立した内容ですが、それがかえって良い方向に作用してい…
食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)作者:頭木 弘樹医学書院Amazon この「シリーズ ケアをひらく」は、私の大好きなシリーズだ。その大きな理由として、どの本を読んでも、今まで当たり前だと思ってきたことが、まったく違うように見える、という…
ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書) 作者:宮口幸治 新潮社 Amazon 児童精神科医である著者は、勤めていた病院を辞め、医療少年院に赴任します。 医療少年院とは、主に発達障害や知的障害のある非行少年が収容される「少年院版特別支援学校」。 そこで…
私たちはふつうに老いることができない: 高齢化する障害者家族 作者:児玉 真美 発売日: 2020/05/25 メディア: Kindle版 このタイトルが「刺さる」人は、おそらく障害者の親かその関係者だろう。障害当事者にさえなかなか光が当たらない中、「障害者の親」の…
発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書) 作者:本田 秀夫 発売日: 2018/12/06 メディア: 新書 発達障害と一口に言っても、自閉スペクトラム(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などさまざまなタイプがある。そうした様々なタイプの…
大いなる看取り―山谷のホスピスで生きる人びと 作者:中村 智志 メディア: 単行本 東京・山谷のドヤ街にある「きぼうのいえ」は、行き場のない人々を看取るための施設である。 マザー・テレサの「死を待つ人の家」の日本版を作ろうと、山本雅基、美恵の二人が…
ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫) 作者:中島 梓 発売日: 2015/01/02 メディア: 文庫 この人は生涯に、ガン闘病記を3冊書いている。以前取り上げた『アマゾネスのように』、本書、そして最期の日々を綴った『転移』である。何度もガンになってしまう…
記憶する体作者:伊藤 亜紗発売日: 2019/09/18メディア: 単行本 たとえば、ある全盲の女性は話しながらメモをとる。別のやはり全盲の男性は、数字の0はピンク、1は白など、数字や文字から色彩を連想する。交通事故で左足の膝から下を失った男性は、「ない足を…
居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく) 作者:東畑 開人 発売日: 2019/02/18 メディア: 単行本 エッセイ風のおどけた語り口。だが、その内容はなかなかに深遠だ。なにしろこの本は、ケアとセラピーの違い、ケアの本質を、…
『障害と文学』『差別されている自覚はあるか』など、先鋭的な視点で日本の障害者運動や障害者差別の歴史を追い続けてきた著者による、本気の「障害者差別論」。とはいえ、精神障害者や知的障害者への差別のこと、障害者権利条約や障害者差別解消法のこと等…
このタイトルは、ちょっとずるい。人間関係やコミュニケーションに悩む人であればあるほど、このタイトルは釣り針のように引っかかって外れなくなる。 内容もまた、心に引っかかって外れなくなる「釣り針フレーズ」が満載だ。著者は大学時代に心を病み、路上…
誤作動する脳 (シリーズ ケアをひらく) 作者:樋口 直美 発売日: 2020/03/02 メディア: 単行本 最近こういった本が増えてきた。こういった本、というのは、病気や障害の当事者みずからが、その体験や思いを語る本、ということだ。高機能自閉症、統合失調症、…
貧乏物語 (岩波文庫 青132-1) 作者:河上 肇 発売日: 1965/10/16 メディア: 文庫 タイトルは「物語」とあるが、今で言えば「貧困論」。まだ「貧困」という言葉が使われてさえいなかった大正5年の日本で顕在化しつつあった「貧乏」と格差の問題を熱く論じた一…
家族関係を考える (講談社現代新書) 作者:河合 隼雄 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1980/09/18 メディア: 新書 なんと40年ほど前に書かれた本。家庭内暴力や非行がクローズアップされている一方、今なら家族の「症状」として外せないであろうひきこもりや…
自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント 作者:松本 俊彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/02/18 メディア: 新書 Q1 リストカットなどの自傷をするなんて、どうせごく一部の人の問題でしょ? A1 違います。10代の若者に限っ…
対象喪失―悲しむということ (中公新書 (557)) 作者:小此木 啓吾 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1979/11/21 メディア: 新書 死別、離婚、失恋。大切な人との別れは人生につきものだ。そんな時、人はどのようにして悲しみを乗り越えるのかについて、…
薬物依存症 (ちくま新書) 作者:松本 俊彦 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/09/06 メディア: 新書 「ダメ、ゼッタイ」を連呼する薬物教育。薬物所持で逮捕された芸能人を声高にバッシングするマスメディア。「薬物依存は犯罪だから、一度でも使ったら…
ロスト・ケア (光文社文庫) 作者:葉真中 顕 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/02/10 メディア: 文庫 デビュー作というのが信じられないほどの、重厚な社会派ミステリー。超高齢社会を迎えた現代の日本のありようを、迫真のリアリティで描き出す。 「地…
8050問題の深層: 「限界家族」をどう救うか (NHK出版新書) 作者:川北 稔 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2019/08/30 メディア: 単行本 「ひきこもり」「8050問題」の現状を、データ、具体例、問題点、解決策にわたり、コンパクトかつバランスよく捉え…
ルポ ひきこもり未満 レールから外れた人たち (集英社新書) 作者:池上 正樹 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/09/14 メディア: 新書 紹介しようかどうしようか、最後まで迷った一冊。この「読書ノート」では、自分が手に取った本の半分くらいを紹介して…
「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか 作者: 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2019/07/12 メディア: 単行本 今年も残すところあと数日だが、今年の「読書ノート」更新は今日がラストの予定。中止したり再開したりと相変わらず揺…