自治体職員の読書ノート

自治体職員です。仕事の関係上、福祉系が多めです。読書は全方位がモットー。

【2321冊目】宮坂昌之・定岡恵『免疫と「病」の科学』

 

免疫と「病」の科学  万病のもと「慢性炎症」とは何か (ブルーバックス)

免疫と「病」の科学 万病のもと「慢性炎症」とは何か (ブルーバックス)

 

 

人間には免疫という機能が備わっている。免疫システムが反応したときに身体に起きる反応が「炎症」だ。皮膚が赤くなるのも、熱をもつのも腫れるのも、「炎症」のひとつである。

ところがこの炎症が慢性化すると、とんでもない悪さを引き起こす。本書によれば慢性炎症は、ガンや糖尿病、認知症からうつ病まで、ありとあらゆる病気に関わっているというのである。炎症がガンの要因になっているなんてちょっと信じられないが、実際に影響を及ぼしていることは間違いないらしい。

本書はそのメカニズムを、そもそもの免疫や炎症の発生にさかのぼって丁寧に解説した一冊だ。個別の疾患に関する説明が細かいが、ざっと読めば全体像は理解できるようになっている。ちなみに個人的には、予防法のところで触れられているサプリメントの効能(ほとんど気休めに近いものらしい)や、「特定保健用食品」「機能性表示食品」「栄養機能食品」の違いが興味深かった。まあ、要するに食に王道なし、ということになるのだろうが、健康に安易な道はないということなのだと思う。それにしてもサプリ市場に日本国民が払っているお金はなんと総額2兆円とのこと。びっくりだ。

【2320冊目】吉田修一『国宝』

 

国宝 (上) 青春篇

国宝 (上) 青春篇

 

 

 

国宝 (下) 花道篇

国宝 (下) 花道篇

 

 

この人の作品は、ずっと前に読んだ『ランドマーク』があまりしっくりこなかったので、なんとなく読まないままになっていた。今回、この『国宝』を手に取ったのは、歌舞伎の世界が舞台というのが気になったから。

読んで驚いた。これほどの華やかさ、これほどの愛憎、これほどの光と影を描ける作家だったとは。特に喜久雄が三代目半次郎を襲名し、俊介が出奔するあたりから、喜久雄が不遇を強いられる辛い日々を描く前半の密度はものすごい。

それに比べると後半の「花道篇」は、いろいろショッキングな事件は起こるものの、大筋では喜久雄の安定感が抜群で安心して読める。歌舞伎の演目の解説や芸の華やかさの描写が適度に挟まれているが、だれた感じもなくはない。「青春篇」で波乱万丈に慣れてしまい、その後のアップダウンがそれほど刺激的には感じられなかった、ということか。

 

とはいえ、やはり歌舞伎界の華やかさを描きつつ、そこに渦巻く人間模様の泥臭さ、陰湿さを同時に描写し、さらにその両方を歌舞伎の演目の中に二重写しにしていく手際はなかなかだ。ちなみに本書ではヤクザの世界に身を置く辻村が重要な役割で登場するが、それぞれ一人の人間同士の結びつきとして辻村と喜久雄の関係を描いているのには好感が持てた。

 

もうひとつ、本筋から少し逸れるが妙に印象的だったのは、立女形の最高峰であり歌舞伎界の重鎮であった万菊が、一人行方をくらまし、ドヤ街の安宿で最期を迎えるくだり。なぜ万菊は、歌舞伎界の栄華を極めたにもかかわらず、あえてそんな最期を選んだのか。私には、そのことが本書全体を解くカギであるように感じた。

【2319冊目】『キングジム 人も組織もうまくまわりだす 超整理術213』

 

 

超実用的な一冊。とはいえ地方自治体であればファイリングシステムは導入されているはずなので、基本を確認する本になる・・・・・・ハズ。

とはいえ「共有できる書類はできるだけ共有する」「参照資料などはスキャンしてデータで保存」「仕掛り中の書類は個人別のBOXに入れ、終業時はまとめて共有棚に収納」などのノウハウは、自治体職員こそ学ぶべき点が多い。電子データもさることながら、紙書類の管理の甘さは、中で見ている限りでもかなりひどいものがある。

とはいっても、だから個人でちゃんと管理しろ、というより、本書が示すようなシステムを構築してしまったほうが良い。おさらいすると、個人別の「仕掛りBOX」「MAILBOX」を用意する。両BOXは(個人情報を扱う部署なら)カギのかかる共有棚に入れておく。登庁したら共有棚の「MAILBOX」をチェックして中身を抜き出し、それと「仕掛りBOX」を机の上に持っていく。回覧物や決裁書類、配付資料などは、個別に説明を要するものや緊急案件以外は、該当者の「MAILBOX」に放り込む。作業が終わった書類は、共有の「保管BOX」に移し、一定期間経過後に「保存BOX」へ移行。一方、その日に終わらなかった作業に関する書類はそれぞれクリアファイルに入れて「仕掛りBOX」に収納、共有棚に戻す。

もちろん実際にはこんなにキレイにはいかないだろうが、それでも理論的には、終業時には机の上に書類が積まれていることはなく(クリアデスク、というらしい)、書類がどこにあるかわからない、というトラブルも減りそうだ。そして、このシステムの利点は、担当者がいなくても他の人が書類を見てある程度の対応ができること。ちなみにファイリング士システムがうまくいっているかどうか試すには「外から職場に電話をかけて、必要な書類を取り出してもらえるか」をやってみればよいという。

他にも本書では、時間の「整理整頓」術やパソコン内のデータ整理の方法なども取り上げられている。そもそも本書自体、多岐にわたる整理術を大きく6つに分類、その中でツリー図を作りながら全213項目をマッピングするという、ある意味での情報整理術のタマモノなのだ。とはいえ、中には実践しようとするとかなり大変なものも含まれている。いきなりクリアデスクはハードルが高い、という方は、まずは「横になっている書類を立てる」ところから始めてみてはどうだろうか。

【本以外】映画『ROMA』はホンモノ

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素晴らしい映画。リアルタイムで、スクリーン上で出会えたことを喜びたい。

 

とはいえ、実はこれ、ネットフリックスの独占配信だったものが、一部の映画館で公開されたもの。有料配信サイトから一般映画館へ、という流れがこれでできるのかわからないが、ネットフリックスのコンテンツの質の高さを知らしめるという意味では強烈なインパクトがある。ハリウッド映画10本が束になってかかってもかなわない、映画としてのクオリティの高さが本作にはあるからだ。ベルリン映画祭で金獅子賞を獲ったというが納得だ。

 

政情不安に揺れる70年代のメキシコを背景にモノクロで描かれる、胸を締め付けられるようなストーリー。切なく、でも心温まる物語は、まさに映画たるものかくあるべし、といった感じで、観客の気持ちを一度つかんだら離さない。主人公の家政婦クレオと、裕福な家の母や子どもたちとの関係には独特なものがあるが、かつての日本でも同じようなことがあったのだろうか。

 

描写も見事。特に水の描写には感心した。冒頭の石畳を流れる水(水の流れと音だけで、誰かが石畳を掃除しているのがわかる)、コップに注がれる水、道路にできた水たまりから荒れ狂う海の水まで、その描写自体がひとつの芸術となっている。冒頭、濡れた石畳に映る空を横切る飛行機が、ラストでは実際の上空を横切っていく、そのコントラストが妙に忘れがたい。

 

 

 

 

 

【本以外】私家版「平成の30冊(+番外編10冊)」をセレクトしてみました

朝日新聞で「平成の30冊」が選ばれていたが、どうにも気に入らないので、自分なりに選びなおしてみた。基準は「今でも読める」「本として一定水準に達している」「それでいて時代を反映している」こと。あと全集、アンソロジー系は除外。本当は『ちくま文学の森』とか『池澤夏樹個人編集 世界文学全集』とか入れたいけど。あと海外作品は(一冊を除き)海外での刊行年でカウント。順番はランキングではなく刊行順。では、スタート!

 

1:ワンダフル・ライフ(1989年/平成元年)

 

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)

 

 生物進化をめぐる議論を塗り替えた一冊。とにかく面白い。 

 

2:ナニワ金融道 (1990年/平成2年~1996年/平成8年)

ナニワ金融道 文庫 全10巻 完結セット (講談社漫画文庫)

ナニワ金融道 文庫 全10巻 完結セット (講談社漫画文庫)

 

 ゼニカネの話をここまでリアルに描いた漫画はなかった。「ウシジマくん」のルーツ。

 

3:ゾウの時間 ネズミの時間 (1992年/平成4年)

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

 

 日本が生んだ生物学の名著だと思う。今読んでも十分通用する。

 

4:字通(1996年/平成8年)

字通 [普及版]

字通 [普及版]

 

歴史に残る偉業「字書三部作」のラスト。単著ですよ、単著。 

 

 

アンダーグラウンド (1997年/平成9年)

アンダーグラウンド (講談社文庫)

アンダーグラウンド (講談社文庫)

 

 平成を語るなら、オウムを忘れてはいけません。

 

6:わたしの名は紅(1998年/平成10年)

わたしの名は「紅」

わたしの名は「紅」

 

トルコの小説の面白さは、イスラムとヨーロッパが交錯しているところ。今こそ読まれるべき。

 

7:赤目四十八瀧心中未遂(1998年/平成10年)

赤目四十八瀧心中未遂

赤目四十八瀧心中未遂

 

案外、日本の文学史に残るんじゃないかと思う。私小説をよみがえらせた一冊。

 

8:バガボンド (1998年/平成10年~)

バガボンド コミック 1-37巻セット (モ-ニングKC)

バガボンド コミック 1-37巻セット (モ-ニングKC)

 
バガボンド(1)(モーニングKC)

バガボンド(1)(モーニングKC)

 

 たぶん日本で一番、連載再開が待たれているマンガ。私は『リアル』の続きのほうが気になるが。

 

9:過ぎし世の面影 (1998年/平成10年)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

 

開国以前の日本の見方を一変させた名著。

 

10:日本語練習帳 (1999年/平成11年)

 

日本語練習帳 (岩波新書)

日本語練習帳 (岩波新書)

 

 もっと古い本かと思っていた。日本語を使う人すべての必携本。

 

11:エレガントな宇宙(1999年/平成11年)

エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する

エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する

 

 宇宙論の最前線(といってももうだいぶ前だが)、超ひも理論の世界にようこそ。

 

12:銃・病原菌・鉄 (2000年/平成12年)

銃・病原菌・鉄 上下巻セット

銃・病原菌・鉄 上下巻セット

 

 これは朝日新聞の30冊にも入っていたかな。素晴らしい本です。

 

13:フェルマーの最終定理(2000年/平成12年)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

 

 フェルマーの最終定理が解かれたのは平成ですからね。

 

14:動物化するポストモダン (2001年/平成13年)

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

 

東浩紀を入れるなら『観光客の哲学』よりこっちかな、と。

 

15: カイエ・ソバージュ (2002年/平成14年~2004年/平成16年)

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)

 

 中沢人類学の到達点。面白いですよ。

 

16:夕凪の街、桜の国 (2004年/平成16年)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

 

 『この世界の片隅に』と迷ったが。本当はどっちも入れたい。

 

17:わたしを離さないで (2005年/平成17年)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

 

 小説がここまで人の心を揺さぶれる、という極点。朝日のリストにもあった。

 

18:カラマーゾフの兄弟  光文社古典新訳文庫版(2006年/平成18年)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

 

 これも朝日のリストと重複。唯一今回のリストで、オリジナルの刊行は平成以前(当たり前だ)。あえて入れたのは、やはり古典新訳の流れを作った一冊だから。 

 

19:ザ・ロード (2006年/平成18年)

ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)

ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)

 

 21世紀を代表する小説のひとつになると思う。絶品。

 

20: 資本主義はなぜ自壊したのか(2008年/平成20年)

資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言

資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言

 

 リーマンショックも平成。これは中にいた人の懺悔の書。

 

21:ハーモニー(2008年/平成20年)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

 

 『虐殺器官』と迷ったが、日本発のディストピア小説の名作として、こちらを。

 

22:プラハの墓地(2010年/平成22年)

 ホントは『薔薇の名前』を入れたかったんだが。とにかくウンベルト・エーコは必須。

 

23:親鸞 (2010年/平成22年~2014年/平成26年

親鸞(上) (講談社文庫)

親鸞(上) (講談社文庫)

 

 五木寛之らしい親鸞像。悪人正機の考え方は、今こそ見直されるべき。

 

24:遺体 (2012年/平成24年

遺体: 震災、津波の果てに (新潮文庫)

遺体: 震災、津波の果てに (新潮文庫)

 

朝日新聞のリストで一番許せなかったのは、東日本大震災に関する本が一冊もなかったこと。とはいえ一冊ピンポイントで取り上げるのは難しいが、手に取りやすく突き刺さりやすいのはこの本か。

 

25:東京プリズン (2012年/平成24年

 

東京プリズン (河出文庫)

東京プリズン (河出文庫)

 

 平成が生んだ本格的戦争文学、国家文学、占領文学。

 

26:なぜ世界は存在しないのか (2013年/平成25年)

なぜ世界は存在しないのか (講談社選書メチエ)

なぜ世界は存在しないのか (講談社選書メチエ)

 

 捉えづらい現代思想であえて一冊選ぶなら、これか。新実在論の旗手による代表作。

 

27:服従(2015年/平成27年

服従 (河出文庫 ウ 6-3)

服従 (河出文庫 ウ 6-3)

 

イスラムとヨーロッパの相克をギリギリの臨界点で描いた一冊。

 

28:82年生まれ、キム・ジヨン(2016年/平成28年

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

 

 韓国でベストセラーになり、日本でも評判の一冊。韓国文学は最近とても気になる。

 

 

29:おらおらでひとりいぐも (2017年/平成29年)

おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞

おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞

 

 高齢社会ならではの文学が、突如出現した。老人文学というジャンルが生まれようとしているのかもしれない。

 

30:知の果てへの旅 (2017年/平成29年)

知の果てへの旅 (新潮クレスト・ブックス)

知の果てへの旅 (新潮クレスト・ブックス)

 

「既知」と「不知」の境界線を旅する一冊。平成の次の時代の科学研究は、この本を道標にして始まるのだ。

 

 

≪番外編≫

あえてお薦めはしないが、懐かしいもの、時代に影響を与えたものはコチラに。10冊くらいでいいかな。

 

1:ソフィーの世界(1991年/平成3年)

新装版 ソフィーの世界 (上) 哲学者からの不思議な手紙 ( )

新装版 ソフィーの世界 (上) 哲学者からの不思議な手紙 ( )

 

哲学を分かりやすく解説する本のルーツはここか。 内容的にはややビミョー。

 

 

2:リング(1991年/平成3年)

リング (角川ホラー文庫)

リング (角川ホラー文庫)

 

 日本のホラー小説ブームの先駆け。今読んでもよくできている。

 

 

3:ゴーマニズム宣言(1992年/平成4年~)

ゴーマニズム宣言 (1)

ゴーマニズム宣言 (1)

 

ここまで国民に広く影響を与えたマンガはなかった。一方今のネトウヨの培養地にもなっていたのだが。

 

 

4:完全自殺マニュアル(1993年/平成5年)

完全自殺マニュアル

完全自殺マニュアル

 

 自殺大国・日本で生まれた問題作。こういう本が出版できるこの社会ってどうなのか。

 

 

5:大往生(1994年/平成6年)

大往生 (岩波新書)

大往生 (岩波新書)

 

 今も続く「長生き本」のルーツ。みんな大往生を望んでいるらしい。

 

 

6:脳内革命(1995年/平成7年)
脳内革命―脳から出るホルモンが生き方を変える

脳内革命―脳から出るホルモンが生き方を変える

 

脳本ブームの火付け役。見たらやっぱりサンマーク出版

 

7:ハリー・ポッターシリーズ(1997年/平成9年~2007年/平成19年)
ハリー・ポッターと賢者の石 (1)

ハリー・ポッターと賢者の石 (1)

 

 私はあまり好きじゃなかったけど、あまり本を読まない子どもにまで読者層を広げた功績は大きい。

 

8:国民の歴史(1999年/平成11年)
国民の歴史

国民の歴史

 

最近の『日本国紀』にまで続くフェイク歴史本のルーツ。インテリコンプレックスのある人を囲い込み、「反自虐史観」的なインチキ歴史観で洗脳するネトウヨ増産装置。

 
9:バカの壁(2003年/平成5年)
バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

 

 読んだ人の誰もが、自分だけは例外だと思っていたという奇妙な本。

 
 
10:これからの「正義」の話をしよう(2009年/平成21年)
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 ひところやたらとブームになった「サンデル本」。でも内容は意外にガチな哲学の解説だったりする。